「学校では正解でも、国語では不正解です。」
今回は、都立入試説明文(論説文)の**【ワナ③:一般常識(いい話)】**の特訓ドリルです。
このワナにかかるのは、普段からニュースを見ていたり、真面目に授業を受けている「賢い子」です。
出題者は、本文の内容とは無関係な、しかし**「世間一般では正しいとされていること」**を選択肢に混ぜ込みます。
「あ、これ知ってる!正しい!」
そう思った瞬間、あなたは作成者の術中にはまっています。
「本文が神様」。
たとえ本文に「地球は四角い」と書いてあれば、入試においては地球は四角いのです。
自分の知識を捨てる勇気を試す10本ノック、スタートです!
※まだ解説記事を読んでいない方は、先にこちらをご覧ください。
>>【保存版】論説文は「読む」な、「仕分け」ろ!都立高校入試・国語「大問4」を入試作成者の視点で完全攻略!
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第1問:プラスチックごみ
<例題>
プラスチックごみの処理技術は進化している。最新の焼却炉では、高温で燃やすことで有害物質を出さずに、**熱エネルギーとして有効活用(サーマルリサイクル)**することが可能になった。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: プラスチックは環境に悪影響を与えるため、そもそも使用量を減らし、マイバッグなどを活用するべきだ。
- イ: 最新の技術を使えば、プラスチックを燃やしてエネルギーに変えることができるため、有効な資源となりうる。
- ウ: 海洋汚染を防ぐために、プラスチック製品のポイ捨てを厳しく取り締まる法律を作る必要がある。
【作成者の視点(心の声)】
「『ア』も『ウ』も、環境問題としては100点満点の正論だ。
でも、本文を読んでごらん。『減らせ』とも『海を守れ』とも一言も書いてない。
書いてあるのは『燃やしてエネルギーにする技術』の話だけだ。
君の知っているエコ知識をひけらかす場じゃないんだよ」
【正解】イ

SDGs的に正しくても、本文に書いてなければ不正解です。国語は「環境活動」ではありません。
第2問:健康と睡眠
<例題>
健康のためには、食事の内容よりも**「噛む回数」**が重要だ。よく噛むことで脳が刺激され、満腹中枢が働くだけでなく、消化吸収も助けられる。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: 健康を維持するためには、野菜中心のバランスの取れた食事を心がけることが最も大切だ。
- イ: 現代人は運動不足になりがちなので、毎日適度なウォーキングを行うことが推奨される。
- ウ: 何を食べるかということ以上に、食事の際によく噛んで食べることが、身体にとって良い効果をもたらす。
【作成者の視点(心の声)】
「野菜も運動も大事だよね。保健体育のテストなら『ア』も『イ』も正解だ。
でも筆者は『噛むこと』しか語っていない。
『野菜を食べろ』なんていう常識を、勝手に脳内で補完しないでくれ」
【正解】ウ

常識的な健康アドバイスに騙されないでください。筆者が推しているのは「咀嚼(そしゃく)」だけです。
第3問:電子書籍と紙の本
<例題>
電子書籍は、膨大なデータを持ち運べる上に、キーワード検索ができる点が優れている。知りたい情報に瞬時にアクセスできるという点で、紙の本にはない利便性がある。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: 紙の本には独特の紙の匂いや手触りがあり、ページをめくる楽しさという点では電子書籍より優れている。
- イ: 検索機能などの便利さにおいて、電子書籍は紙の本よりも情報収集のツールとして優れている。
- ウ: 電子書籍は目が疲れるため、長時間の読書には紙の本を利用するなど使い分けが必要だ。
【作成者の視点(心の声)】
「本好きの子は、すぐに『ア(紙の良さ)』を選びたがる。
『紙の匂いがいい』なんて、本文のどこに書いてある? それは君の感想だ。
筆者は『デジタル万歳!』と言っているんだ。著者の主張に合わせてくれ」
【正解】イ

あなたの「紙派」としてのこだわりは捨ててください。筆者が「デジタル派」なら、あなたも試験中だけはデジタル派になるのです。
第4問:コミュニケーションの極意
<例題>
自分の意見を通すためには、論理的な構成が不可欠だ。感情に訴えるのではなく、データと筋道で相手を説得する技術こそが、現代社会では求められる。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: コミュニケーションにおいて最も大切なのは、相手の話をよく聞く「傾聴」の姿勢である。
- イ: 相手の気持ちに寄り添い、共感することで信頼関係を築くことが、説得への近道だ。
- ウ: 現代社会で相手を説得するためには、感情論ではなく、データに基づいた論理的な話し方が必要だ。
【作成者の視点(心の声)】
「『聞き上手になれ』『共感しろ』。よくあるアドバイスだね。
でもこの筆者は、そんな甘っちょろいことは言っていない。
『ロジックでねじ伏せろ』と言っているんだ。
道徳的な『ア』や『イ』を選んだ君、この筆者とは友達になれないよ」
【正解】ウ

「聞き上手」は世渡りの正解ですが、この文章の正解ではありません。
第5問:AIの未来
<例題>
AI(人工知能)は、人間が苦手とする大量のデータ処理を瞬時に行う。これにより、医師が見落としていた病気の早期発見などが可能になり、多くの命が救われている。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: AIが進化しすぎると、人間の仕事が奪われたり、AIが人間に反乱を起こしたりする危険性がある。
- イ: AIは医療などの分野で人間の能力を補い、人々の生活に大きく貢献するポジティブな存在だ。
- ウ: AIに頼りすぎると、人間が自ら思考する力が低下してしまうため、教育現場での利用は慎重になるべきだ。
【作成者の視点(心の声)】
「『ア(ターミネーター的な危機)』や『ウ(思考力低下)』は、よく議論されるテーマだ。
でも、この文章はAIを『絶賛』している。
君の知っている『AIのリスク』なんて聞いていない。
批判的な選択肢は、本文と真逆だ」
【正解】イ

ニュースで見た「AIの脅威」の話は忘れてください。本文が「AI最高」なら、答えは「AI最高」です。
第6問:伝統文化の継承
<例題>
伝統だからといって、古い形をそのまま残すことだけが正解ではない。時代に合わせてアレンジし、変化させていくことこそが、伝統を未来へつなぐ唯一の方法だ。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: 伝統文化は、先人たちが築き上げた形をそのまま守り抜くことに意味があり、安易に変えてはならない。
- イ: 若者の伝統離れを防ぐために、学校教育の中で伝統文化に触れる時間を増やすべきだ。
- ウ: 伝統を存続させるためには、頑なに形を守るのではなく、時代に合わせて柔軟に変化させる必要がある。
【作成者の視点(心の声)】
「『ア(そのまま残せ)』は、いかにも保守的で立派な意見だ。
でも筆者は『変えろ!アレンジしろ!』と言っている。
『伝統を守る=変えない』という常識の逆を行く文章だ。
筆者の革新的な主張を読み取れるかな?」
【正解】ウ

「伝統=変えてはいけない」という固定観念がワナです。筆者の主張が「変革」なら、それに従ってください。
第7問:宇宙開発の意義
<例題>
宇宙開発には莫大なコストがかかる。しかし、そこで得られた技術は、GPSや天気予報など、私たちの日常生活に還元されている。宇宙への投資は、決して無駄ではない。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: 宇宙には無限のロマンがあり、人類が未知の世界へ挑戦すること自体に大きな価値がある。
- イ: 地球上には貧困や飢餓など解決すべき問題が山積みであり、宇宙開発よりもそちらに予算を回すべきだ。
- ウ: 宇宙開発の技術は私たちの生活を便利にしており、費用対効果の面でも意義がある。
【作成者の視点(心の声)】
「『ア(ロマン)』は夢があるね。『イ(貧困対策)』は現実的だね。
でも筆者は『実利(生活への還元)』の話をしている。
『夢』でも『批判』でもなく、『損得勘定』の話なんだよ。
ドライに読んでくれ」
【正解】ウ

「ロマン」という言葉に逃げないでください。筆者は具体的なメリット(GPS等)を論じています。
第8問:チームワーク
<例題>
非常時においては、全員で話し合うよりも、一人のリーダーが強力な権限を持って即断即決する方が、組織全体の生存率を高める。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: どんな時でも、メンバー全員の意見に耳を傾け、全員が納得するまで話し合う民主的な姿勢が大切だ。
- イ: ワンマンなリーダーは組織を壊す原因になるため、リーダーは常に周りと協調しなければならない。
- ウ: 緊急事態においては、話し合いよりもリーダーによるトップダウンの決断の方が有効な場合がある。
【作成者の視点(心の声)】
「学校では『みんなで話し合おう(ア)』と教わるよね。
でも、この筆者は『独裁』を推奨している。ただし『非常時』限定でね。
君のクラスの学級目標を選ぶんじゃない。筆者の過激な意見を選べ」
【正解】ウ

「話し合い=善」「独裁=悪」。この道徳を捨てないと、この問題は解けません。
第9問:グローバル化
<例題>
英語を学ぶことは大切だが、それ以上に**「日本の歴史や文化」**を知らなければ、国際社会で尊敬される日本人にはなれない。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: グローバル社会で生き抜くためには、英語の文法や発音を完璧にマスターすることが最優先だ。
- イ: 世界中の人々と仲良くするために、異文化を理解し、尊重する態度を身につけるべきだ。
- ウ: 国際人として活躍するためには、語学力だけでなく、自国のアイデンティティである文化や歴史の知識が不可欠だ。
【作成者の視点(心の声)】
「『英語頑張れ(ア)』『みんな仲良く(イ)』。これもよく聞く話だ。
でも筆者が求めているのは『日本を知れ』ということ。
『グローバル』という言葉に釣られて、英語や異文化の話を選ばないでくれ」
【正解】ウ

「国際化=英語」という短絡的な思考がワナです。足元(日本)を見ろ、というのが筆者の主張です。
第10問:失敗の価値
<例題>
失敗は成功の母と言うが、取り返しのつかない失敗も存在する。致命的なミスを避けるために、事前の準備とリスク管理を徹底しなければならない。
問:筆者の考えとして適切なものを選べ。
- ア: 失敗を恐れずにどんどん挑戦することが、若者には必要であり、それが成長につながる。
- イ: 失敗してもくよくよせず、すぐに立ち直って次のチャンスに向かうポジティブさが大切だ。
- ウ: 失敗の中には許容できないものもあるため、挑戦心よりも慎重な準備と管理を重視すべきだ。
【作成者の視点(心の声)】
「『失敗を恐れるな(ア)』。卒業式で校長先生が言いそうだね。
でもこの筆者は『恐れろ』と言っている。『慎重になれ』と言っている。
ポジティブな名言集に毒された頭を冷やして、筆者の『現実的な警告』を聞くんだ」
【正解】ウ

「挑戦=素晴らしい」という常識に対するアンチテーゼ(反論)です。世の中の常識と逆のことが正解になる、それが論説文の面白さです。
まとめ:あなたの知識は、試験会場の外に置いてきて
いかがでしたか?
10問解いてみて、「一般常識」や「いい話」が、いかに正解の邪魔をするかが分かったと思います。
作成者は、
「環境保護」「健康」「道徳」「国際協調」
といった、誰もが「正しい」と思うテーマを利用して、本文を読んでいない優等生を落とそうとします。
しかし、入試のルールは一つだけ。
「本文に書いてあることだけが正解」。
たとえ本文が「悪魔の主張」をしていたとしても、入試においてはその悪魔に従ってください。(もちろん、実際の入試でそこまで酷い文章は出ませんが、常識とズレた文章は頻出です!)
「うちの子、物知りだけど点数が伸びない…」
「自分の意見と、筆者の意見を混同してしまう…」
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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